2-2 これまでの産学連携の経緯
2002年度
平成14年度、兵庫県中小企業団体中央会による「組合等活性化集中事業(経済通産省・兵庫県補助事業)」の一環として西脇地区における地場産業の活性化を目的に西脇商工会議所に所属する若手の経営者で組織される「西脇若手匠の会」の検討会に参画した。この検討会は、西脇の地場産業の受託加工産地から提案型産地への脱皮を図り、商品開発と共に西脇ブランドの確立することを目指したものであった。その実現のためには、企画開発力と人材育成が最も重要な要素の一つであり、デザインの大学との産学連携はその可能性を広げるものと、検討がされた。
2003年度
前年度から継続した平成15年度の同事業においては、「西脇若手匠の会」との具体的な産学連携についての検討を行った。そして、本学ファッションデザイン学科3年ファッション企画デザイン演習の学生を対象にして、素材に関する勉強会や工場訪問、学生との意見交換会が開催された。参加した学生の中から6名の有志がブランド「plus+」を作り、播州織の生地を用いたシャツ製品の企画、制作を行い、本学のショップ&ギャラリー「セレンディップ」で販売をするというブランド立ち上げの試みも行われた。制作されたシャツは、長田区のショップから買い入れの打診もあるなどし、産地と学生との連携によるブランド発信の可能性が広がった。
2004年度
3年ファッション企画デザイン演習の一環として、総合繊維見本市「ジャパンクリエーション2005」*1に向けた産元商社との産学連携による播州織を用いた2006春夏に向けた企画立案とシャツ製品見本の制作を行った。成果物は産元商社の見本市のブースに展示され、販売促進のツールとして活用された。
また、有志学生は産元商社との素材の共同開発にも取り組んだ。素材開発をファッションデザインを学ぶ学生からの視点で行ったもので、「皮膚感」をテーマにした素材イメージを提案し、6素材が共同開発され、製品化された。共同開発した素材はジャパンクリエーションのテキスタイルコンテストに応募し、当時大学院生であったベ・スヨンさんが提案した素材は、コットン部門で入選を果たした。