2-3-4 「播州織ファッションショー」
2006年3月26日、産学連携による播州織ブランドの社会への発信を目的に「播州織ファッションショー」を開催した。連携先は、産元商社の大化産業株式会社に西脇商工会議所が加わり、ファッションデザイン学科からは3年生6名による「西脇産学連携プロジェクト」のメンバーが参加した。2006年春/夏用に開発された播州織の先染綿素材を用いて、5つの異なるテーマでデザインを行い、シャツとパンツ製品50点、合計25モデルを製作し、ファッションショーの形式で発表した。これまで年配者向けの高級シャツ素材というイメージが強い播州織に、若者のファッション素材のイメージを与えることを重点にして5つの企画を提案した。素材は、播州織の持ち味である先染めで細番手の糸を用いたドビーやジャガード織りのストライブやチェックを中心に使用した。ファッションショーにおいても、それぞれの企画を5つのシーンに分けて演出を行った。
1シーンは、「ソフィストケート」をテーマにして、20才代のヤングアダルトをターゲットとし、構築的なカッティングをデザインポイントにしたメンズのカジュアルシャツを提案した。2シーンは、「イノセント」をテーマにして、ハイティーンの女の子をターゲットとし、ギャザーやドレープを取り入れた5色のパステルカラーのドレスアップスタイルを提案した。3シーンは、「ネオ・クラシック」をテーマにして、アダルトをターゲットとし、19世紀初頭に出現したシャツのディテールやボリュームを取り入れ、ダークカラーのメンズのドレスシャツを提案した。4シーンは、「キュート」をテーマにして、ミドルティーンの少女をターゲットとし、ギャザーやフリル使いに柄違いを組み合わせたショート丈のカジュアルブラウスを提案した。5シーンは、「ロマンティック」をテーマにして、20才代のヤングアダルトをターゲットとし、ピンタックやプリーツなどフェミニンな要素を取り入れたメンズのドレスシャツを提案した。
ファションショーは、西脇市街地にあり、地元の観光スポットとしても注目され始めた「旧来住家住宅」*4を会場にした。大正時代に建築され、国の有形文化財に登録されたもので、その庭に面した母屋と離れをつなぐ外廊下を舞台にした。観客席は、障子を開け放った和室と庭に設け、午後二時と四時に行った2回のショーには、合計で約450名の観客を集めた。また、このショーの模様は、当日のサンテレビのニュース番組で報道されたのを始め、朝日新聞、産経新聞、神戸新聞などのマスコミにおいても、産地と大学の連携ということで報じられた。
このショーは、西脇からのブランド発信だけでなく、西脇TMOの主催により西脇市の中心市街地に活気を取り戻すことも目的として行わた。ショーのスタッフには、ボランティアの市民の方々も参加し、また、地元の高校である西脇高等学校生活情報科の生徒さんもモデルとして加わり、地場産業と大学、高校そして一般市民の連携で行われた。
また、ショーで発表した製品は、同会場で3月28日から4月9日まで、展示を行い、一般に公開された。また、同製品は、西脇商工会議所が主催し、5月14日に開催された西脇産業フェスタ*5にも出品された