The report of the soulful form based on interviews with "Kijishi"
写真1 杓子
森と共に暮らし、何世代にもわたって木の文化を創り上げてきた木地師という集団が、かつて日本の各地に存在した。木地師は椀・盆・杓子等の木地を作る木工職であり、生活を山中で送り、木を伐採しその場で加工して製品を完成させる工程をとっていた。今日すでに山中で製作する集団としての木地師は消え、工房での作業を主とした個人としての活動が僅かに確認できる程度であるが、今もなおその製品や製作技術、手工具などから、受け継がれてきた木の文化を感じとることができる。奈良県五條市の新子薫氏は材料を求めて山中を移動した経験を持つ最後の木地師と言われており、現在も独特な技術を用いて栗の木による杓子の製作を行っている。本研究は、新子氏からの聞き取り調査をもとに木地師の生活と杓子作りについてまとめ、失われつつある木地師の技術を記録するとともに、築き上げてきた木の文化と魅力ある生成りの造形の背景について考察する。
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