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1 神戸市西区学園都市学校連携アート・プロジェクト2008

本アート・プロジェクトは、神戸市営地下鉄学園都市駅前広場「ユニバードーム」において実施され、今年で5回目を迎えた。第4回までは、兵庫県立伊川谷北高等学校と神戸芸術工科大学との二学校間の連携事業として開催してきたが、今回より、兵庫県教育委員会および神戸市教育委員会、西区区役所などに後援をお願いし、地域住民への広報活動も活発に行った。その結果、今回のワークショップでは、第4回目までの地域住民に加え、新たに2地域からの参加者を募ることができ、総参加者は約150名となった。なお、本プロジェクトのスタッフは、伊川谷北高校生35人、本学学生12名である。また、プロジェクトで用いた絵の具などを画材メーカからの提供で調達することができた。使用した絵の具は、それぞれのメーカが開発した新製品なども盛り込み、子どもたちに実際に使ってもらうことによって、製品の良さを実体験してもらった。

今回のプロジェクトにおけるワークショップのテーマは、「巨大な仮面と小さな仮面たち」。(図1-1)2008年9月15日に実施された。参加した子どもたちは、学園都市周辺の幼稚園、小学校の子どもたちおよび、隣接する伊川谷町、西神南地区、西神地区の子どもたちであった。今年度の傾向としては、教育委員会および区役所等の後援により、より広範囲からの応募があったことが特徴としてあげられる。

ワークショップは、子どもたちの顔に合うサイズの「小さな仮面」と、グループに分かれて制作することができる「巨大な仮面」の2種類の造形物を作るプログラムとなった。小さな仮面は、参加した子どもたちの個性を十分に生かすため、基本的なかたちや色彩構成は、子どもたちに任せることとした。造形サポーターの高校生および大学生は、子どもたちの造形レベルや好みの色彩などをよく観察した上で、子どもだけでは造作できない部分や、子どもの希望に沿える着色方法などをサポートするよう心がけた。その結果、個性的な作品を作り上げることができた。(図1-2)巨大な仮面は、高校生と大学生が夏季休暇中に元型を製作。彩色はワークショップ当日に子どもたちと共に行った。大きな作品を幼稚園児、小学生、高校生、大学生までが一緒になって造形していくことによって、世代を超えた協働作業を実現することができた。(図1-3)

このプロジェクトは、全体総括およびワークショップの進行を「学」、必要となる画材協力を「産」、広報・後援活動を「官」が担うことによって、地域に根付き、かつ、もの作りのための楽しさや面白さ、協働作業の大切さなど世代を超えて共有できたことに、大きな意義がある。

図1-1 巨大仮面の前にて。参加者とともに。

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図1-1 巨大仮面の前にて。参加者とともに。

図1-2 カタチも色も、子どもたちの個性があふれる仮面たち。

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図1-2 カタチも色も、子どもたちの個性があふれる仮面たち。

図1-3 年齢を超えた協働作業。それぞれの能力と感性を大きな仮面に込める。

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図1-3 年齢を超えた協働作業。それぞれの能力と感性を大きな仮面に込める。


    

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