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3 淡路瓦産業とのワークショップ

産業界とのワークショップでは、兵庫県の地場産業である淡路瓦産業との事例を報告する。本学と産地の連携は、昨年プロダクトデザイン学科生活デザイン実習授業としてワークショップを行なった実績がある。今回は2008年10月にプロダクトデザイン学科生活デザインコース3年次学生5名と4年次学生2名の計7名が、南あわじ市「野水瓦産業株式会社」の工場見学を行なった後にワークショップを実施した。(図3-1)ここでは、瓦の粘土素材を用いて参加学生各自らが鬼瓦を制作するワークショップである。講師は、本学の卒業生である地元鬼板師川崎忠之氏が担当し、瓦粘土の素材特性及び制作方法の説明を受けながら学生達は熱心に制作を進めていった。ワークショップに要した時間は約2時間である。後日学生作品は地元業者の窯で焼かれた後、本学に送付された。(図3-2)(図3-3)

淡路瓦産業界とのワークショップは、学生のアイデアによる瓦製品の試作品開発のための実習課題へのアプローチとして行なった。一般的には産学連携の実習課題では、課題のオリエンテーション時に産業界から趣旨の説明及び工場の見学などを行ない開始される。しかし、今回は、産地においてまず体験型のワークショップを実施することにより、学生の産学連携に係る意識を高めて、主体的に課題に取り組ませることが出来た。

ワークショップ体験後、学生は次の課題テーマである、「瓦素材を用いた雑貨などのデザインの提案」に取り組んだ。以下に課題のプロセスを述べる。

学生と合同でBS法を用いて、課題のテーマからアイデアとなるキーワードの展開を行なった。各自キーワードから発想したアイデアスケッチをA4サイズの定型用紙にそれぞれ10点ずつ提出させた。学生と教員が検討した結果、各自2点の絞り込みをおこなった。絞り込まれたアイデアは、A3の用紙に作品のコンセプト、さらに詳細となるスケッチと寸法を記入し、2008年11月本学にてアイデアのプレゼンテーションの場を設け、学生と産地事業者との活発な意見交換が行なわれた。(図3-4)

産地業者が、学生達から提出されたアイデアを持ち帰り検討した結果、学生のアイデアに対して一人1点以上の試作品を製作することになった。

図3-1 瓦工場見学「野水瓦産業株式会社」。

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図3-1 瓦工場見学「野水瓦産業株式会社」。

図3-2 瓦素材体験型ワークショップ。熱心に鬼瓦を制作する学生たち。

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図3-2 瓦素材体験型ワークショップ。熱心に鬼瓦を制作する学生たち。


図3-3 ワークショップ終了後、出来上がった鬼瓦。学生たちと指導者。

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図3-3 ワークショップ終了後、出来上がった鬼瓦。学生たちと指導者。

図3-4 瓦のデザイン提案をプレゼンテーションする学生。

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図3-4 瓦のデザイン提案をプレゼンテーションする学生。


    

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