7 |まとめ

7-1 コミュニティづくりについて


グループワークショップでは、公開講座や現地ワークショップでの学習効果に加え、参加者それぞれの体験からもたらされたコミュニティのあり方や知恵を引き出せ、それらを共有できたことが成果として挙げられる。
これは、参加者が常に幅広い年齢層で占められていたことが1つの要因である。入居者募集までに行われた公開講座やワークショップ等の参加者の年代別構成をみると、20代=2.8%、30代=14.2%、40代=18.4%、50代=33.5%、60代=21.2%、70代=9.0%、80代=0.9%である。特に60歳代以上の参加者の多くは、日本が古来のコミュニティを実体験しており、そのことが20歳代~40歳代の参加者に対し、説得力を持ってアピールできたと言える。また、参加者の中には途中から両親或いは子供夫婦を誘って参加する者もおり、このことも年齢層の幅を広げることに貢献した。



7-2 住まいづくりについて


住宅プラン個別ヒアリングでは、個々の要求から住みたいプランの引き出しを行い、専門家とのやりとりの中で隣家やコミュニティとの考えながら基本プランを確定していく作業を行った。 この作業を行う中で、入居予定者と研究室の間のプランニングを介したコミュニケーションを行い、両者が互いに住まいづくりに関する意識を高め合う仕組みを構築することができた。今後、実施設計から住宅建設が着工し、竣工に至るまでの間には、ビルダーの意識も高めていかなくてはならない。



7-3 ルールづくりについて


現在、コミュニティワークショップでは、2005年11月の協定案の策定を目指し、入居予定者による話し合いが行われている。みついけプロジェクトでは、ルールづくりと住まいづくりとを連動させることによって、入居予定者が、ルールという一定の制限があっても、自らが望む住まい方を実現できること、そしてルールによって、より住みやすいコミュニティも実現できることを、視覚的に実感できるようになっている。そのことにより、入居予定者が「快適で安全な暮らしをするために、本当に必要なルールは何か?」ということを考えながらルールづくりを進めるシステムが構築されつつある。
従来の「決められたルール」から「自らが決めるルール」へ、そして「縛られるルール」から「使いこなすルール」づくりの手法が求められていると言える。




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