2.デザイン・フェスタという「場」

いくつかの展示販売会のなかから私たちが目標に定めたのは、毎年、春と秋の2回、東京で開かれる『デザイン・フェスタ』というイベントである。
この催しは、オリジナル作品であればジャンルを問わず誰でも参加できるアートイベントで、東京ビッグサイトというコンベンションセンターでおこなわれる。19回の歴史を持ち、北米、南米、ヨーロッパ、アジアなど世界中のクリエーターが参加し、企業や大使館なども積極的に支援する文化交流の場ともなっている。
今回で20回目となるデザイン・フェスタは、2004年11月13日(土)・14日(日)の2日間にわたり開催され、参加者3,500組、47,000人の来場者を集める大イベントとなった。
会場には、一坪と半坪の2種類の大きさのブースが全部で2,500個並び、そこを舞台に、絵画、写真、映像、オブジェ、陶芸、ファッション、雑貨、アクセサリー、フィギュア、パフォーマンスなど思い思いの表現が繰り広げられた。中央のステージでは、ファッション・ショーやライブ・パフォーマンス、演劇が行われ、会場内を練り歩くゲリラ・パフォーマンスも登場し盛り上がりをみせた。
このイベントは、オリジナルな表現でさえあれば何でもOKというのが最大の特徴である。ブースさえ申し込めば、他人に迷惑となる行為以外、内容はほぼ無審査で出展できる。現在の日本の展覧会や展示会のなかでも格段に自由度が高い。参加しやすいため、作品のレベルはピンキリとならざるを得ないが、反面、多くのクリエーターが集まり、催しの規模は自ずと巨大化する。結果、会場はユニークでハングリーな表現物・表現行為の坩堝となる。既成概念の枠を大きく逸脱した「そんなのあり?」というもののなかに、きらりと光る個性的な作品が多数みうけられる。
出品物は販売され、時には企業人の目にとまり、広告に起用したいといった商談に発展することもあるという。すべては自由に繰り広げられ、チャンスを生みだすもそれをつかむも、まったく出展者の運と積極性次第である。主催者はそれらを、いっさい制限しない。
こういった場に身を置くだけで、誰しも「自分の本当の物づくりとは何か」といった思いに直面する。このカオスのなか、いま自分がしていること、つくった作品は、どんな位置にあるのかがかいまみえてくる。創作に関するあらゆるヒントや刺激が、あちこち無数に転がっている。
デザイン・フェスタとは、そんな「場」なのである。

写真1―デザイン・フェスタのチラシ

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写真1―デザイン・フェスタのチラシ

写真3―メインステージでのパフォーマンス

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写真3―メインステージでのパフォーマンス

写真2―海外参加のアーティスト

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写真2―海外参加のアーティスト



写真4―ライブ・ペインティング

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写真4―ライブ・ペインティング

写真5―会場内を練り歩くゲリラ・パフォーマンス

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写真5―会場内を練り歩くゲリラ・パフォーマンス




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