私たち教員は前日中に東京入りし、当日の朝早く、りんかい線で会場に向かった。
最寄りの国際展示場駅に電車が着くと、出展者と思わしき人々がいっせいに降りた。地下鉄の長いエスカレータを登り、駅の改札をでる。外は早朝のひんやりと澄んだ空気が気持ちよく、大きな荷物を背負う者や車輪の付いた鞄を押す人たちが、会場をめざし歩きだす。
ほどなく、広い遊歩道の先に、ピラミッドを逆立ちさせたような東京ビックサイトがみえてくる。そのまま数分間、黙々と前進。遊歩道は建物の2階部分に接続して終わる。
エントランス奥のチケット売り場脇に設置されたデザイン・フェスタのゲートをくぐると、目の前に巨大な空間が現れる。吹き抜けになった天井は高く、メインステージのある1階中心部が、一望のもとに見下ろすことができる。圧巻である。そして中心部の3方向に扉があり、その扉の奥にさらにブース・スペースが続く。
私たちは全員が時間通りに、テープで床にマーキングされただけのブースに集合。赤帽に依頼した荷物も運び込まれ、いよいよ設営である。人数が多いため、ブースは11時の開場に余裕で完成した。
自分たちの作品をアピールし反応をみることと、ほかのブースをみてまわり刺激をうけることの両方を効率よくおこなうため、私たちはローテーション表を作った。1日に最低2時間は自分たちのブースで作品の紹介と販売にあたり、あとは各自の判断でどちらか必要と思われる方を選択できるようにした。
こうして、貴重な体験になるであろう2日間がスタートした。