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5.協働の地域づくりのプロセスデザイン

播磨町での一連の取り組みは、播磨町立北小学校が廃校になることから始まったが、廃校をきっかけとして地域住民主導の地域づくりが始まった。旧北小協議会の活動の方針検討や、具体的活動の検討をしていく中で、地域づくり活動の必要性を共有し、活動内容の合意を行いながら地域づくり活動を行う組織へと緩やかに変化している。また、東はりま特別支援学校が旧北小学校に設置される案が出された際には、旧北小協議会の存在意義が根本から問われ、激論が交わされ、脱退する者もいた。議論の変遷の中で3つの段階が見られたが、その段階を経る毎に、旧北小協議会の性質が徐々に変化してきた。筆者はこのような取り組みを変化させ発展させることを、地域づくりのプロセスデザインであると捉えている。このような変化を支えてきたのは、神戸芸術工科大学が関わり、芸術工学としてプロセスデザインをリードしたからだと考えている。それは、地域の人々の言葉にならない気持ちを汲み取り、それを形(活動や創作物、ビジュアル資料等)にすることで、地域の関係者の理解向上や合意形成に至る流れをデザインしてきたからだと考えている。

播磨町での取り組みは、平成19年度から始まったが、これまでの活動は未だ助走期間にあたる。平成22年度には(仮称)交流センターが開館し、平成23年度には特別支援学校が完全開校する予定である。地域づくり活動にはハード整備とソフト事業の両輪が必要となるが、平成20年度からの旧北小協議会の活動はソフト事業にあたり、交流センターの開館と特別支援学校の完全開校はハード整備の一つにあたり、ソフト事業を展開する拠点となる。今後、このハード整備とソフト事業の両輪を上手に操り、東はりま特別支援学校や他の組織との協働による住民主導の地域づくり活動を発展させ、定着させる必要がある。

    

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