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報告|REPORT


住民主導のまちづくり組織による協働のプロセスデザイン -兵庫県播磨町での取り組みを通して-

The process design of partnership by Machizukuri Organization consisted from residents of the area
- In case of the facility management in Harima-town, Hyogo prefecture -


倉知徹

KURACHI,Tohru Assistant, Department of Environmental Design, School of Design



はじめに

2001年以降、政府主導の「都市再生」が取り組まれ、大都市や地方中枢都市ではこれまでの法制度では不可能だった規制の緩和と事業進行のスピードで都市空間が改変されている。しかしこの「大規模開発の促進」だけに見える都市再生には、「全国都市再生の推進」として「都市再生の担い手支援」が位置づけられており、地域発意の行動を行う団体への支援や団体同士のネットワーク化も目標とされている*1。一方で、同時期にまちづくり活動は第三世代に入ったと言われ*2、地域の発意で地域運営を行うことが求められるようになっている。この地域運営には、地域のことを地域で考え行動できる様な地域の担い手が不可欠となり、地域の担い手の形成と育成が現在の課題となっている。このような地域運営のまちづくりの実践は、大きく物的環境の整備(ハード整備)とコミュニティづくり活動や人づくり等の事業(ソフト事業)によって構成されている。これらハード整備とソフト事業の両輪そろった取り組みが最も重要となるが、本稿ではこれを地域づくり活動と定義することとする。

本稿は、兵庫県播磨町(以下:播磨町)で取り組まれている住民主導まちづくり組織による地域づくり活動のプロセスについての報告である。またこの住民主導まちづくり組織は、特別支援学校との協働体制を築き、地域福祉環境の向上も目指す活動を行い、地域の担い手をめざし人材バンク機能をはじめ、地域の様々なネットワーク構築も目指している。

この地域づくり活動に対し、平成19年度から筆者を含む神戸芸術工科大学が活動の提案やサポートを行っている。「プロセスデザイン」とは、神戸芸術工科大学がこの一連の地域づくり活動に関わる際に、地域づくり活動全体をデザインしようとする意図を込めたものである。本稿は一連の地域づくり活動の変遷をまとめたものであり、神戸芸術工科大学が行った提案等のプロセスデザインを報告するものである。

    

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都市再生本部HP、http://www.toshisaisei.go.jp/ (最終アクセス:平成21年9月)。
日本建築学会編、『まちづくり教科書第1巻 まちづくりの方法』、丸善、平成16年