A Study on the Revaluation of Scenic Value of SETOUCHI that Siebold et al. Saw
瀬戸内海はかつて、北九州と畿内、遣唐使(630年~894年)・朝鮮通信使(1607年~1811年)ら大陸と畿内を結ぶ海の道として活用され、その寄港地では人や物、文化が集散し、海も町も活気があった。また瀬戸内海諸地域では、そこに住まう人々の重要な海の生活圏として、海は彼らの産業・経済・文化を支えてきた。ところが現代では、瀬戸内沿岸の陸上交通の整備が進む一方で、特に離島では、少子高齢化や過疎化に悩まされ、それに発する地域活力の低下、経済の低迷による産業の衰退、空地や荒廃した旧工場地域の増加、更に営みの基盤である瀬戸内海の水質汚染、環境・風景の破壊といった様々な問題を抱える圏域となってしまっている。瀬戸内沿海域の活性化を図るには、瀬戸内沿海域の価値を見出し、再評価することが一つの方法であると考えられる。