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図1 予備調査の航路と調査地  (作成:木下怜子)

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図1 予備調査の航路と調査地
(作成:木下怜子)



図2 本研究における瀬戸内海の範囲と研究の対象地域  (作成:木下怜子)

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図2 本研究における瀬戸内海の範囲と研究の対象地域
(作成:木下怜子)

3.予備調査と研究の対象地域

3-1 予備調査

平成17~18年度に、「瀬戸内沿海文化史からみた参画と協働に基づく地域活性化に関する試行的研究」において瀬戸内海の現状把握を目的とした3度の予備調査(2006年2月4~6日、同年3月21~23日、同年8月3~5日)を行った。

そこでは、宮島、室津、上関、牛島、祝島、八島、平群島、屋代島、二神島、津和地島、下蒲刈島、斎島、大崎下島、岡村島、能島、岩城島、鞆、走島、白石島、北木島、真鍋島、佐柳島、本島、直島、男木島、女木島、豊島、小豊島、小豆島、坊勢島等を巡り(図1)、固有価値を持つ島(牛島の波止や下蒲刈島の雁木といった江戸時代の港湾施設、本島・笠島集落や鞆、大崎下島・御手洗のまちなみ保存地域、八島や真鍋島・岩坪集落、男木島等の高密な集落形態、平群島・豊島等で行われた土地利用跡等)と、直面している社会的問題(鞆沖に計画中の橋の建設問題、環境破壊や土地の未利用による山林の衰退、本州及び四国沿岸の工場地帯の衰退等)、改善・維持されている環境や風景(禿山から回復した小佐木島、塩飽諸島・斎灘・防予諸島のシークエンス体験等)等を把握した。

更に、調査後のミーティングにおける現状の分析・考察等を通じて、「江戸期に構成していた風景の再評価」「明治維新及び戦後の高度経済成長期を契機とした、瀬戸内沿海域の社会的・文化的衰退」「シーボルトがみた瀬戸内沿海文化の再評価」等の作業仮説のキーワードを得、これを基に平成19年度の研究を行った。

予備調査の詳細は、神戸芸術工科大学紀要 芸術工学2007に「瀬戸内沿海文化史からみた参画と協働に基づく地域活性化に関する研究」として資料を掲載している。

3-2 研究の対象地域(図2)

本研究では、瀬戸内海の範囲を、領海法に則って南東を紀伊日の御崎灯台から蒲生田岬灯台まで引いた線、南西を佐田岬灯台から関崎灯台まで引いた線、北西を竹の子島台場鼻から若松洞海湾口防波堤灯台まで引いた線の内側と定義づける。

対象地域の選定にあたり、予備調査の成果を受けて、1.シーボルトを中心とする、ケンペル、申維翰、リヒトホーフェン達が通った航路とそこからみた瀬戸内海風景の範囲、2.予備調査において私達が評価した固有価値を持つ島や風景、社会問題を抱える地域を調査対象として、それらを巡る航路を選定した。


 

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