2-2 平成19年度の取り組み
平成19年6月30日に播州織工房館がオープンし、播州織を用いて商品を作る地元の個人業者やサークルなどの4軒がテナントとして参加した。同館は、平日の来館者を多く見込むことが難しく、テナントの参加者の多くが平日に別の仕事も持っているため、金、土、日の週末のみのオープンになった。「n+able」の商品の販売は本学の学生を中心にした西脇地域に住むデザインを学ぶ学生5名が担当した。商品の企画・生産を行う西脇プロジェクトには、ファッションデザイン学科3年の学生8名が参加し、5テーマに分かれてシャツの企画・生産を行い、同館のブースで販売した(写真5)。サイズ展開することで売れ残ったサイズが在庫化することを避けるため、生産はメインサイズのMのみにし、サイズ違いはオーダーにより対応することにした。
また、工房館が住民のコミュニティの場所になるように、住民参加のイベントを行った。最初の試みとして西脇高校生活情報科の生徒に播州織を用いてシャツを作ってもらい展示をする「初めてのシャツ展」を企画し、9月28日から10月7日まで開催した(写真6)。
以下の項目は、制作したシャツの5つのテーマの特徴である。
(1) DARK WITCH:ダークカラーのシャンブレーを用いたレディース、メンズのドレスシャツ(写真7)。
(2) カモミール:アースカラーの起毛したサージを用いた癒し系のレディースシャツ(写真8)。
(3) CHECK×(写真9):タータンチェックをメイン素材に用いたレディースのオーバーシャツ。
(4) 木綿日和:優しい肌触りのジャガード織を用いた高齢者に向けたレディースシャツ(写真10)。
(5) ストライプマジック:ブルーのストライプだけを用いたベーシックでスタイリッシュなメンズシャツ。
※トートバッグ、小物
19年度のプロジェクトでは、年齢層を広げたシャツの企画・生産も始めたにも関わらず、来館者との差があり、シャツの売り上げは減少した。販売を担当している学生と検討し、試しに播州織を用いたトートバッグやくるみ釦の小物を作り、シャツと共に置いてみたところ、来館者からの反響が現れ、今後の商品開発の参考にした。