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図1 視覚障害者用囲碁の例1。碁盤上の丸穴に石のスタッドを差し込んで固定する。

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図1 視覚障害者用囲碁の例1。碁盤上の丸穴に石のスタッドを差し込んで固定する。


図2 視覚障害者用囲碁の例2.碁盤上の凸線を碁石裏面の溝で挟み込んで固定する。交点以外でも固定できてしまう。

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図2 視覚障害者用囲碁の例2.碁盤上の凸線を碁石裏面の溝で挟み込んで固定する。交点以外でも固定できてしまう。


図3 視覚障害者用囲碁の例3.入門用の9路盤。碁盤状の丸穴に円盤状の碁石を嵌め込む。碁石内には磁石が内蔵されており、黒石には同心円の溝が設けられている。

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図3 視覚障害者用囲碁の例3.入門用の9路盤。碁盤状の丸穴に円盤状の碁石を嵌め込む。碁石内には磁石が内蔵されており、黒石には同心円の溝が設けられている。

2. 現状の問題

現在使用されている視覚障害者用囲碁セットは、白石と黒石の違いが触知できる形状と、盤上の石の配置を触知するときに石が動かないこと、石を置く位置が認識できることの3点が要素となっている。前者に対しては、黒石に凸を設けるか、視覚障害者用オセロの黒面のように同心円状の凹凸が設けられている。視覚障害者の多くは凹よりも凸の方が触知が容易である。盤上の石が動かない工夫は、穴にピンを差し込む方法や突起した線を挟み込む方法、段が付けられた穴とマグネットを用いる方法、三角形状の3面を用いて石のない状態と白と黒の石が置かれた状態が回転して現われるもの、などがある。

穴にピンを差し込む方法(図1)と突起した線を挟み込む方法(図2)は、線上に石を置く囲碁本来の動作に近いが、対局中や終了後に石を上げるのに手間を要する欠点がある。また、線を挟む方法は石の溝の方向を線に合わせることも必要となる。一方穴に石を入れる方法は(図3)、線上ではなく、枠の中に石を置く行為に見え、晴眼者にとって囲碁のイメージから離れてしまう欠点がある。これは、使用している石がオセロの駒のように平らな円盤状のものであることも囲碁のイメージから離れる原因となっている。


 

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