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2 3ヵ年の成果のまとめと今後の活動方針の検討

2005年度から大学院レベルでの教育と研究における国際協力を目的として、東アジアの文化遺産をテーマに日・中・韓のデザイン系3大学で進めてきた国際共同プロジェクトは、2007年度までの3ヵ年で調査フィールドが3カ国を一巡し、一つの節目を迎えた。このため2008年度は、この3ヵ年の活動を報告書にまとめて各国で共有することと、今後の参加校増加に対応した継続的な国際協力のありかたを検討した。

2-1 調査報告書の作成

2005年の王家大院(中国・山西省)、2006年度の河回マウル(韓国・安東)、そして2007年度の白川村(日本・岐阜県)における合同調査プロジェクトの概要はすでに本学紀要芸術工学2006~2008において報告しているが*1、調査対象地が3カ国を一巡したことをうけて、プロジェクト全体の成果報告書の作成を行った。

報告書の作成にあたっては、3カ国で成果を共有・活用していくために、3カ国語に翻訳することにした。編集のとりまとめ作業は本学で担当することとし、まず本学で日本語版の原稿を作成して、5月に北京理工大に中国語への翻訳を、東西大学に韓国語への翻訳を依頼した。しかしながら、当初11月に予定していた原稿のとりまとめは、両大学の諸事情により予定通りには進まず、最終的な原稿のとりまとめ作業は2008年度末までずれ込んだ。また年度末に中国語の翻訳作業をすべて本学が担当せざるを得ないことが判明し、これを外注により行ったため印刷経費が不足したので、やむを得ず2008年度は編集作業及びテスト印刷までを行った。また当初1冊のなかに3カ国語を併記するレイアウトにすべく作業を進めていたが、作業の遅延に伴い印刷作業の簡便化を考慮し、日本語、韓国語、中国語をそれぞれ別冊子として制作し、各言語1冊ずつの計3冊を1つの箱に入れる形でひとまとめにする装丁に切り替えた。

各校の内部事情によりなかなか足並みが揃わず予定通りに作業がすすめられないのは仕方のないことであるが、図らずも多国間で行う国際共同プロジェクトの難しさを露呈する結果となった。

    

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大田尚作他「3大学合同調査―王家大院を事例として―」『芸術工学2006』
大田尚作他「3大学合同調査-2―韓国河回村を事例として―」『芸術工学2007』
大田尚作他「3大学合同調査-3―白川郷荻町を事例として―」『芸術工学2008』