2-4 人口フレームの設定
都市計画マスタープランの上位計画である第4次稲美町総合計画では、平成23年度の目標人口が35,000人に設定されている。しかしながら、年齢別の人口構成や近年の転出入の実績値等を基にした人口推計では、平成17 年現在で31,944 人である稲美町の人口は今後減少し続け、平成37(2025) 年には29,788 人になるという予測結果が得られた。両者の間にはかなりの開きがあることから、都市計画マスタープランにおける人口目標をどの水準に設定するのが妥当であるのかが、町の都市計画審議会*5 でも特に注目された論点のひとつとなり、慎重な検討が行われた。その結果、達成時期は当初目標よりも遅い平成37 年に変更するものの、総合計画と同じ35,000人を目標として維持することに決定した。その理由は次の通りである。
- a.
- 稲美町の中心部市街化区域においては、平成18年度から平成24年度にかけて3つの土地区画整理事業が完了しつつあり、今後、整備済みの街区に新たな定住人口を受け入れて、市街地の充実をはかるべき段階を迎えている。
- b.
- 市街化調整区域においても、既存の地域コミュニティの活力を保つために、各田園集落における人口を維持することが必要となっている。
- c.
- 道路・下水道等の都市基盤施設や様々な公共施設を有効に活用しつつ、それらを適切な状態で維持更新していくためには、町全体としても現状以上の人口規模を保ち続ける必要がある。
- d.
- 住民意向調査においても、多くの住民が現状程度あるいは現状よりも多い人口を望ましいと考えているという結果が示されている。
- e.
- 転出入の傾向をみると、30代および5歳未満人口については稲美町内への転入が多く、諸施策の実施によって、その傾向を促進することも可能だと考えられる。