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報告|REPORT


三木鉄道跡地等利用基本計画の策定支援について

General proposals for abolished Miki railway and the consensus building process


川北 健雄

KAWAKITA, Takeo Professor, Department of Environmental Design, School of Design



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はじめに

三木鉄道は、大正5(1916)年に播州鉄道として開業して以来、三木市の地場産業である金物、穀物類の輸送に大きな役割を果たしてきたが、利用者数の減少による累積赤字の増大により、平成20(2008)年3月末をもって、その歴史に幕を閉じた。三木市では、残された跡地および諸施設の活用に関する検討を市民参加で行なうため、沿線地域の代表者や公募委員等を含む、市長に選任された21人の委員で構成される「三木鉄道跡地等利用検討協議会」(以下、協議会と略記する)を設置し、そこでの議論を通して基本計画案の策定を行なうことにした。本報告執筆者の川北は、三木市からの依頼を受けて協議会の委員となり、会長に任ぜられて基本計画のとりまとめにあたった。

第1回の協議会は平成20年1月に開催され、最終案的な計画案の確認を行なった10月末まで計6回の協議会が行なわれた。また、5月には協議会とは別に2回のワーキンググループ会が実施され、協議会で検討すべき問題点の整理や鉄道跡地の現地視察等を行なった。協議会の事務局は三木市まちづくり部交通政策課に置かれ、協議会運営上の庶務や協議会での検討結果にもとづく基本計画原案の作成を行なった。事務局からは神戸芸術工科大学の学生へも協力依頼があり、これに応じて、住民参加による地域づくりに関心を寄せる大学院生および環境・建築デザイン学科の4年生数名が、6月の第3回協議会におけるテーマ別の跡地利用案検討作業を手伝った。さらに、事務局における基本計画原案の作成にあたっては、整備イメージの具現化についての支援依頼があり、本学の受託研究として図面・パース・アニメーション等の制作を行なった*1

本報告では、以上のような経緯を通してとりまとめられた「三木鉄道跡地等利用基本計画」の策定プロセスと計画内容について紹介する。

    

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主な研究協力者:米津政俊、藤巻泰輝、高比良信子(いずれも当時、神戸芸術工科大学大学院総合デザイン専攻1修士課程1年)